ジョーカーと紹介してください
ジョーカー観ました。
例によってネタバレ込みで感想書きますんでネタバレなしで映画を楽しみたい人は見ないようにお願いしますね。
観る前にキング・オブ・コメディを観るのをオススメされたんですがまさにそれ。
トークショーの件とか思いっきりオマージュですね。あとタクシードライバー感もある。
オマージュ元からわかるようにこの作品がどこからどこまで妄想かが分からないんですね。結構重要な部分がアーサーの妄想だった!ってわかるシーンがあるんですが、そこまで驚きはしなかったですね。そりゃ、まぁ、そうでしょ。って感じで。
んで、どこからどこまでが本当のことでどこからどこまでが妄想のことなのかは観客の判断に任せてるんですね。そういうフワフワした状態で物語は進む、悲惨な、みてて痛々しくなる展開を続けながら
オープニングから画面作りに凄い気を使ってる感じが伝わってきてあー、このカットカッコいいなぁ〜ってのが何個もあって監督はハングオーバーを撮った人っていうのを聞いてたからこんなに画面作りに気を使う人だったの?って感じましたね。ハングオーバーってすげーバカ映画だったよ!?(褒めてます)
クオリティは高いけど好きな人は死ぬほどすきで興味ない人はただただ苦痛な映画でしょうね。
アーサーは子供のころに受けた怪我が原因で自分の意志と反して笑っちゃうって言う病気を持ってるんですね。だから、笑っちゃいけないとこで笑っちゃう。チンピラに絡まれてるときとか、すごい怒られてるときとか逆に笑っちゃう。でも、その笑ってるシーンが実に辛そうで。笑ってはいるんだけどむしろ泣いてるように見える。
だけど、アーサーがジョーカーになってからは本当に楽しそうなんですね。
今までの不自然な笑いはなりをひそめてイキイキとしだす。ジョーカーになった方が健康に良さそう(笑)
いい映画ってのはマネしたくなるシーンがあるもんで今作もいっぱいあります。特に階段ダンスはちょっとやりたくなる。トイレダンスはそんなにやりたくはない。タイムカードパンチはストレスたまってるときはやっちゃうかも。
車に乗るときクリームのwhite room流したらテンション上がりそうってのもあるなぁ。
あと、主人公アーサーがイライラしたり辛くなるシーンでわざとそれっぽい曲がかかるのはちょっと笑ってしまった。まさに↓のマシーナリーとも子の記事のジョーカーゲージやジョーカーポイントが見えるってやつですねもうちょいでゲージが満タンになるぞ!やれ!っていう感じでみてましたよ僕は。
キングオブコメディであったどん底の人生より、一夜の王に。っていうのをより暴力的に、破滅的に描いているんですね。あのジョーカーの腕を斜めに掲げるポーズってキング・オブ・コメディでパプキンが両手を掲げるポーズのパロディなのかな?どっちかっていうと単純にピエロでよくあるポーズなのかな?
ばっちりバットマン要素も詰め込んできて、おお!そうだよね。ジョーカーならやっぱりバットマン要素は入れてくれないとね!と嬉しくなっちゃいましたね。
最後の「理解できないさ」から色々妄想できるのも熱いんですよね。カウンセラーに対しては理解できないさと突っぱねたアーサーですが(アーサーのジョークの意味、またはアーサーの抱える苦悩、狂気を理解はできないだろうという意味だと思われる)
でも、この街にはジョーカーと同等かあるいはそれ以上の狂気を秘めた男がジョーカーの行動がきっかけで誕生するんですよね。
その狂気を秘めた男こそがバットマンであり、ジョーカーのことを”理解”してくれる唯一の人物なわけで(もちろん、バットマン自身は理解できるなどとは絶対言わないだろうけど)
そういう宿敵であるけれど誰よりも相手のことを理解しているみたいな関係性が僕は大好物です。
スクライドとか機動戦士ガンダムサンダーボルトとかアメリカンギャングスターとか色々ありますけどね。そういう関係性の二人がバチバチやりあう作品はグイグイみちゃうなぁ。
※ジョーカー自体は全然そんな映画じゃないですんであしからず、
ダークナイトを観てジョーカーかっけぇぇ!ってなった人間が同じようなカリスマあふれるジョーカーが観れるかっていうとそれは違って、そういうのを期待してたならちょっと違うよ。と伝えておきたい。ただただ鬱屈とした人生を送っていた男が吹っ切れて自分の生き方を改める(悪い意味で)っていう映画なのでまぁ、あれだ羅生門みたいな感じ?(すごい雑な感想)