デトロイトで検索するとデトロイトメタルシティがでてしまう

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見てるだけで胃がキリキリ痛む映画。

デトロイト

スターウォーズのフィン役のジョンボイエガが主役?なのかな結構メインの役をやってました。

スターウォーズのときはあんなにチャラい感じの兄ちゃんだったのにデトロイトでは打って変わって真面目な警備員役。シドニー・ポワチエ感のある知的な紳士って感じでしたね。

自分達黒人が白人からどういう風に扱われるか理解している。しかし、自暴自棄にならずに毅然とした態度で白人達とも対峙する。という役ですが作品のテイストが痛ましい事件を描くというモノなためそこまでの活躍は望めません。

あくまでその状況に翻弄される一人に過ぎない。

 

どシリアスな映画なんですがところどころズコーってなるところがあって

黒人に対して不当な取り調べを行なっているのをみた警察(管轄が違う)ミシガン州警察

が上司に

「あいつら(デトロイト市警)やりすぎです。」

「なに!黒人にだって人権があるんだぞ!何やってるんだ!」

お、止めに入ってくれるのか?と思いきや

「...人権が絡むと厄介だ。私達は関わらない方がいい。引き上げるぞ。」

って言って立ち去っちゃう。

オイオイ、助けないんかい!?

 

あと、モーテルから発砲音がしたため狙撃者がいたと思い、モーテル内の黒人を尋問するシーンがあるんですが(この作品一番の見どころ)

なかなか吐かない黒人達に痺れをきらした警官の一人があるゲームを思いつき、黒人を一人ずつ部屋に入れてバンと発砲して警官だけ一人戻ってきてあいつは殺したといい、次はお前達だ!と脅すわけです。

実際はは天井や床を撃って「殺した。」って言ってるだけなんですが、(目で合図っぽいのはしてた。)ちょっと間抜けっぽいやつに次はお前の番だ。ヤレ。って言ったら、そいつが脅しってわかってなくて本当に殺しちゃったところとか

「本当に殺してどうする!?」

「え!?殺せって言ったじゃん!」

みたいな

 

何より差別主義の警官役を演じたウィルター・ポールターの怪演が凄いです。

本当にめちゃくちゃやな奴に見えるし役者本人の見た目がいじめっ子というよりいじめられっ子っぽいところがまたいいんですよ。自分がしたことに対して一応まずいかなって感情はあるようで隠蔽工作をしたり弁護士がくるまで何も話さない!って警察側の内務調査官に言うところとかの小物っぷりがまたムカつくんですよ。

カイジ利根川や兵頭にムカつかずに安藤や班長にムカつく感じというかね。

そっちの側でなかった人間がなにかのきっかけでいじめたり、迫害したりするようになったら

より悪くみえるようなあの感じですね。

(もっとも、これは僕の妄想も入ってるのでご了承ください。作中での彼は別にいじめられっ子でもなんでもない)

 

あんな目にあったらそりゃ白人をぶっ殺したくなる気持ちも分かんなくもない。

人種間のそういうどうしようもない溝とかがあることをきっかけに解消された。っていう話ではないのでハッピーエンドとは言えないんですがあまりにも救いがなさすぎるので聖歌隊のシーンで終わるのかも知れない。

 

キャサリンピグローの作品はゼロダークサーティのときも拷問シーンがひたすら記憶に残ってて、今回も尋問シーンが印象的過ぎて、多分何年かしたら僕の中でデトロイトは尋問シーンが辛かった映画って記憶になってると思います。

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