もう大人になれよ、少年

先日テレビ放送していた天気の子をいまさらながら観ましてね。率直な感想としては「エロゲじゃんコレ」でした。(褒めてます)

 

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 ↑の方の感想がまさにドンピシャ過ぎて話が終わっちゃうんですがそれ以外にも僕が色々思ったりしたことを書いていこうかなと思います。

 

フォーマットとしては君の名はと同じで序盤、なんか過ぎていく日々をRADの曲と共に、ヒロインと再会、そっから過ぎていく日々をRADの曲と共に、クライマックス主人公がなんか走って曲、神社に行って異界っぽい場所に行ってからまた曲!

そして数年後(ここ大事)、ヒロインと再会する主人公。

基本的な話の流れは一緒なんですね。これは、まぁ、プロデューサー指示か監督が意図したかは分からないですが前作でのフォーマットをイジらずに作った方がすんなりできるからでしょうね。

 

音楽の使いどころとか君の名と凄い似ていて結構べタな演出だっていうのは感じました。(といいつつも君の名はと秒速5cmしかみていないにわかが言ってみる)

 

公開当時、賛否両論みたいな話を聞いたけど僕としてはえ、なんで?って感じですよ。

こんなんエロゲでのたくさんあるエンドの一つじゃないですか。世界がどうなってもたった一人の女の子の方が大事だ!って叫ぶなんてセカイ系の基本みたいな話です。

むしろ正直で共感が持てますよ。世界の為に大事な人を犠牲にしなくちゃ!なんてしらじらしくて冷めるってもんです。

(ただ、直接洪水とかで死者が出た描写とかはしなかったですね。さすがにそれをしちゃったら主人公サイドに全然同情できなくなるからだろうけど)

 

そもそもあの異常気象も彼らが引き起こしたものでもなく、もともと雨が多かったのは最初からで、作中のセリフにあるように世界なんて元々狂ってるんですよ。

 (晴れ間を作る能力でそれが加速したって言う要素はもちろんありますけどね)

 

あと勘違いしそうになるけど警察はなにも間違ったことしてないですからね。

家出少年の保護と保護者不在の子供たちを保護しようとしただけで、未成年の家出少年が銃持ってたらそりゃ捕まえようとするわけで、たまたま、ヒロインが消えたタイミングと主人公が補導されたタイミングが重なったからで捕まってただけという。

この辺が観てる人達に勘違いさせる要因で、さも、警察(事情を分からない大人たち)が自分と彼女の中を引き裂こうとするみたいな感じになってて劇中ではもりあがってるけどそりゃ警察サイドとしてはコイツなにいってんだ?ってなりますよ。銃持ってるし。(あの銃も不自然に出てきたなぁ)

 

別に世界の為にヒロインに犠牲になれとか言ってないしその辺がゴチャっとしてた印象です。まぁ、そのあたりがゴチャっとするから主人公頑張れ!っとなるんですがね。

 

 

君の名はでも天気の子でもそうだけど、なんでそうなったか、っていうのは対して説明されなくて、とりあえず愛し合う二人が一生懸命になってたんだよ。そりゃなんとかなるだろ!ってなんで戻ってこれたとかそんな説明はいっさいなくて逆にそれが清々しかったですね。こまけぇこたぁいいんだよ!!の精神は大事です。

 

セカイ系独特の世界が自分中心で回ってるような感じのナルシズム溢れる雰囲気が嫌いな人には全然合わないだろうなってのは思いましたよ。

(世界を劇的に変えてしまったという罪悪感とそのなかにほんの少しでも自分たちだけが世界の秘密をしっているという優越感というかなんというか複雑な感情ある感じ)

 

瀧くんや三葉がでたときはおっ!って思ったけどよく考えれば彼ら隕石の落下から一命を取り留めたかと思ったら今度は住んでるとこが水害になるって悲惨すぎないか。

瀧くんのおばあちゃん家なんか水没しちゃってるし。

 

 

あと僕がこれは、と深く思ったのがボーイミーツガール、モノローグ多発、世界に打ちのめされる少年。空から落ちていく描写…エウレカセブンだコレ!

 

よいこのみんな!エウレカセブンとはそのままずばり朝7時からやっていたエヴァガンダムを足して2で割ったようなアニメだぞ!

 

これも名作なので機会があれば皆さん是非どうぞ、天気の子観てて、アレ、これエウレカっぽいぞってところがちょこちょこありましたしね。

 

色々言ったんですが実際僕は結構好きです。この作品。

君の名はより好きかもしんない。でも君の名はの方が受けがいいってのもわかる。っていうか天気の子が好きって人はみんなわかるんじゃないかな。

というか

作中にある「もう大人になれよ、少年」

ですが大人になるなんてクソくらえだ!これからもセカイ系でいってやるよ俺は!っていうような気概を僕は監督から感じましたね。

だからよくキモいシーンがあるとかいわれるけど僕はそのまま突っ走ってもらいたい。もちろん、ある程度のセーブは必要だろうけど

 

宮崎駿だってロリコンって言われてるし、細田守なんてショタ+ケモナー細田守はもうちょい隠せよとは思う、正直)だし性癖をまったく出さずに創作なんてできないもんでしょクリエイターなんてもんは。

 

 

僕はテレビ放映版を見たんですがコロナ禍でのこの世の中が一変した様子と作中のクライマックス後での世界での様子が図らずもこの時世とマッチしていて感慨深いものがありましたね。

 世界は変わってしまってもそれでも人はなんだかんで生きていく。それが日常になれば。そういうある意味ひとごとだけど、たしかに前向きなメッセージを発信していてこの時期に放映する意味は確かにあったんだと思いましたね。

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